「悲惨な人々を見ると,わが身の幸福がなんとなく恥ずかしくなる。(ラ・ブリュイエール)」(『世界ことわざ名言辞典』,モーリス・マルー編,田辺貞之助監修,島津智編訳,講談社)
○私たちは,他者と支え合い,助け合ってこそ生きていられるのですから(他者のお陰で生きていられるのですから),困っている他者や苦しんでいる他者の手助けをすることは,人間としての当然の務めと言えます。優越感を味わいながら,あるいは,相手からの感謝や世間からの称賛などを期待しながら行うようなことではなく,むしろ,自分の方が境遇や幸運に恵まれていることでの負い目を感じながら慎み深く行うべきことであると思います。私たちと他者は持ちつ持たれつの相互依存関係にあり,本来は一体なのですから,「情けは人の為(ため)ならず」とも言うように,他者に益をもたらす行動は,回り回っていつかは必ず自分に益をもたらすことにつながってきます(逆に,「人を呪わば穴二つ」とも言うように,他者に害をもたらす行動は,回り回っていつかは必ず自分に害をもたらすことにつながってきます。)。他者の手助けをすることは自分のためでもあるわけですから,それ以上の見返りや報酬を期待するのは欲張り過ぎというものです。(11)(19)関連