「人に対する仕打ちを,人からも受けると思え。(プブリリウス・シルス)」(『世界ことわざ名言辞典』,モーリス・マルー編,田辺貞之助監修,島津智編訳,講談社)
○こちらが心を開いて友好的な態度で接すれば,相手も心を開いて友好的な態度で接してきてくれるものです。逆に,こちらが心を閉ざしたまま敵対的な態度で接すれば,相手も心を閉ざしたまま敵対的な態度で接してくるものです。これが普通の人間関係です。人間関係はお互い様であり,どちらか一方だけが悪い,どちらか一方だけが善いなどということは,滅多にありません。他者との間に友好的な人間関係を築きたい,敵だらけの世の中で暮らしたくないと望むのであれば,まずは自分から,他者に対して心を開き,友好的な態度を示していく必要があるのではないでしょうか。また,私たちは他者の支えや助けがなければ生きていられないのであり,その意味で,私たちと他者は本来一体なのですから(持ちつ持たれつの相互依存関係にあるわけですから),他者を大切にし,他者に益をもたらす行動は,回り回っていつかは必ず自分を大切にし,自分に益をもたらすことにつながってくるはずです。逆に,他者を蔑(ないがし)ろにし,他者に害をもたらす行動は,回り回っていつかは必ず自分を蔑ろにし,自分に害をもたらすことにつながってくるはずです。「情けは人の為(ため)ならず」,あるいは,「人を呪わば穴二つ」という諺(ことわざ)の深意を,しっかり理解し,心に刻み付けたいものです。(17)(19)関連