「今は長い目で世の中を見ることができない人が増えた。今だけ,カネだけ,自分だけしか見えない。(養老孟司)」(2023年2月21日付け,スマートフラッシュ記事)
○現代の日本のような豊かで安全で便利な社会で暮らしていると,何事も自分の思い通りになると勘違いしやすく,実際,私たちは,自分の欲求がすぐに充足されることを求めがちであり(そのための手っ取り早い手段としてのお金を重視しがちであり),自分の思い通りにならないことがあると,すぐに不平不満を募らせてしまいます。また,このような社会で暮らしていると,人間は独りでは生きていられないという事実も忘れられやすく,他者に対する感謝の気持ちを失うとともに,他者は,支え合ったり,助け合ったりする協力相手(味方・仲間)ではなく,パイを奪い合う単なる競争相手(敵),あるいは,自分の欲求充足を妨害する単なる邪魔者になってしまいがちです。しかし,改めて言うまでもなく,人生は本来ままならないものなのであり(ままならないのが人生なのであり),また,私たちは,目に見える直接的なものも目に見えない間接的なものも含め,数知れぬ他者の支えや助けがあればこそ生きていられるのです。不平不満ばかりを募らせてしまわないよにするためにも,他者と仲良く助け合ったり,生きる喜びや幸せを分かち合ったりできるようになるためにも,私たちは,これらの事実を十分に認識し(深く心に刻み付け),そのような認識の上に立って自分(自分の心の持ち方や考え方や生き方など)を変えていく必要があるのではないでしょうか。(1)(4)(6)(7)(11)(21)関連