「無分別な者は，それを失うまでは，貴重なものを手にしているのに気がつかない。（ソフォクレス）」（『世界ことわざ名言辞典』，モーリス・マルー編，田辺貞之助監修，島津智編訳，講談社）
○私たちが暮らしている社会は，人類史上最も豊かで安全で便利な社会です。にもかかわらず，私たちは，このような社会で暮らせることを当たり前と思い，感謝する気持ちを忘れ，むしろ，社会に対する不平不満ばかりを募らせてしまいがちです。また，生きているということは，よくよく考えてみれば一つの奇跡であり，心から感謝すべきことであるにもかかわらず，私たちは，自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに，なかなか気づくことができません。むしろ，人生が自分の思い通りにならないことでの不平不満ばかりを募らせては（人生は本来ままならないものであるにもかかわらず），自分は不幸であるなどと思い込んでしまいがちです。足るを知り，常に満ち足りた気持ちで幸せな人生を送れるようになるためにも，私たちは，自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さ（具体的には，この世の中に生まれてこれたことの有り難さ，自分の命を守り，自分が生きることを可能にしてくれている人体や自然や宇宙の神秘的とさえ言える精妙な仕組みや働きの有り難さ，自分の人生を成り立たせてくれている数知れぬ他者の直接的・間接的な支えや助けの有り難さ，人類史上最も豊かで安全で便利な社会で生活できることの有り難さなど）に深く思いを致し，その有り難さをしっかり心に刻み，心から感謝できるようになる必要があるのではないでしょうか。（１）（２）（４）（６）（７）（９）（11）（14）（20）関連
