「進歩しない者は，退歩する。（ゲーテ）」（『世界ことわざ名言辞典』，モーリス・マルー編，田辺貞之助監修，島津智編訳，講談社）
○自分は無知である，自分は未熟であるという自覚があればこそ，私たちは，謙虚に学び努力する姿勢や，素直に反省する態度（自分が犯した失敗や過ちを素直に認め，その責任を潔く引き受けた上で，それらから学ぶべきことを十分に学び，決して忘れまいとする態度）などを保ち続けることができるのではないでしょうか。そして，そのような姿勢や態度などを保ち続けることができればこそ，たとえ何歳になったとしても，自分を人間的に成長（成熟）・向上させ続けることが，すなわち，自分の可能性を十分に花開かせ，実を結ばせるとともに，多少なりとの他者や社会の役に立つことができるのではないでしょう。したがって，自分は無知であり未熟であるという自覚を失い，慢心してしまえば，そこで人間的な成長・向上は止まり，あとは独善に陥るとともに人間的に退歩・退行し，堕落する一方になってしまい，思い残すことのない充実した有益な人生を送ることは困難になってしまいます。たった一度きりの人生に大きな悔いを残さないようにするためにも，初心を忘れることなく，自分は無知であり未熟であるという自覚を，決して失わないようにしたいものです。（11）（12）関連
