「いちばん悪い欠点は,欠点を知らないことだ。(プブリリウス・シルス)」(『世界ことわざ名言辞典』,モーリス・マルー編,田辺貞之助監修,島津智編訳,講談社)
○短所や欠点や弱みを有していない人間など,どこにもいません。誰もが例外なく,長所や美点や強みと共に,短所や欠点や弱みを有しています。しかも,見方を変えれば長所が短所になり,短所が長所になり得るように,多くの場合,その両者はコインの裏表の関係にあります。したがって,短所や欠点や弱みをなくすことなど,絶対にできませんが,それらを自覚することなら,決して不可能ではありません。そして,自分の短所や欠点や弱みを自覚することで,それらによって足をすくわれる危険性は格段に低下します。致命的な失敗や過ちを避けるためにも,自分を実際以上に見積もることなく,自分の短所や欠点や弱みに対しては,常に自覚的でありたいものです。なお,他者の短所や欠点や弱みを指摘して平気で悪口を言えるということは,自分の短所や欠点や弱みを自覚できていないことの,すなわち,心の目が曇っていて,あるがままの現実を見ることができていないことの証左なのですから,そのような者の悪口など,「河童(かっぱ)の屁(へ)」(屁の河童)くらいに思っていればいいのではないでしょうか。(9)(12)(14)(17)関連