時代を超え，国や文化の違いなどを超え，賢者と呼ばれる人たちが，ほぼ同じことを言っていることからも分かるように，人生の真理には，古いも新しいもなく，東も西もありません。また，改めて言うまでもなく，人生の真理は全人類の共有財産です。誰かが独り占めできるようなものではありません。したがって，たとえ人生の真理を新たに発見したとしても，独占権や優先権などを主張すべきではなく，できる限り多くの他者と分かち合うことをこそ目指すべきであると思います（実際には，人生の真理は遠い昔にほぼ言い尽くされているため，人生の真理を新たに発見するなどということは滅多になく，遠い昔に誰かによって発見されていた人生の真理を再発見することくらいしかできないのが普通ですが。）。もちろん，全人類の共有財産であるとは言っても，「猫に小判」，「豚に真珠」，「馬の耳に念仏」，「犬に論語」といった具合に「宝の持ち腐れ」になってしまっては意味がありませんので，「宝」を実生活に生かせるようになるためにも，まずは，学問などを通じて真理を真理であると見抜き，見分けられるだけの眼力（見識）を養う必要があるわけですが。
