「「万物は一なり」という崇高な真理」(『日本の面影』,ラフカディオ・ハーン,池田雅之訳,KADOKAWA)
○この宇宙に存在するすべての物は,この地球上に生存する多種多様な生き物も含め,もとを正せばたった一つの物から派生してきた物と考えられます。したがって,当然のことながら,この宇宙に存在するすべての物は,深いところではつながっており,何らかの影響を与え合っているはずです。実際,私たちと自然環境は,目に見える直接的な形でも目に見えない間接的な形でも強く影響を与え合っていますし,私たちと他者(さらに言えば他国)は,持ちつ持たれつの相互依存関係にあり,私たちは他者の支えや助けがなければ生きていることさえできません。この事実を正しく認識するなら,自然環境に対しては過度の負荷をかけることがないように心がけ,他者に対しては,他者を競争相手(敵)と見なして足を引っ張り合ったり,パイを奪い合ったりするのではなく,他者を協力相手(味方・仲間)と見なして助け合ったり,幸せを分かち合ったりすることをこそ心がけながら生きるのが,人間として,また,社会人として,自然で真っ当な生き方であるということが分かるはずです。自然環境に過度の負荷をかけたり,他者と敵対したりすることは,要するに,自分の首を絞めたり,右手と左手が争い合うことに他ならないからです。(4)(6)(11)(19)(20)関連