「真理や理性は,万人に共同のものであり,それを最初にいった人のものでも,あとからいった人のものでもないのです。」(『エセー 1』,モンテーニュ,宮下志朗訳,白水社)
○真理は,人類の共有財産です。他者より先に気づいたからといって,独り占めにできるものではありません(そもそも,その人より先に気付いていた人がいないということを証明することはできません。)。真理に気づいた人は,それを独占しようとせず,あるいは,それを自分の所有物にしようとせず,できる限り多くの人たちと共有し,人類の共有財産にすることをこそ心がけるべきなのではないでしょうか。もちろん,人類の共有財産であるとは言え,真理を真理として見抜く目がなければ,「猫に小判」,「豚に真珠」,「馬の耳に念仏」,「犬に論語」などとも言うように,宝の持ち腐れになってしまうわけですが。(後書き)関連