「不幸は大半が,人生に対する誤った解釈のしるしである。(モンテーニュ)」(『座右の銘』,「座右の銘」研究会編,里文出版)
○社会的な成功を収め,財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せになれないという思い込みこそが,私たちに,それらに対する執着を生じさせ(結果的に,心の目を曇らせ,いま自分の目の前にある幸せに気づくことさえ難しくさせ),ひいては,私たちを,不平不満,妬みそねみ,恨みつらみ,失意失望,自暴自棄といった心理状態に追い込み,私たちが幸せになることを困難にさせているのではないでしょうか。他方,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに深く思いを致し,心から感謝できるようになるなら(曇りのない眼を取り戻し,いま自分の目の前にある幸せに気づけるようになるなら),そのような執着・心境から解放され,普通の平凡な人生にさえ生きる喜びや幸せを無限に見いだすことが可能になり,ひいては,生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになるのではないでしょうか。人間の幸不幸は,物事の受け止め方(解釈の仕方)や心の持ち方(心構えや心がけなど)次第なのですから,幸せであることを本当に願うのであれば,社会的な成功を収めることよりも,自分の心の持ち方を改め,あるいは,育て上げること(いま自分の間の前にある幸せに気づけるようになること)にこそ大切な時間やエネルギーを使いたいものです。(2020年12月24日)(1)(2)(3)(4)(6)(7)関連