「われわれは眼前にあるもののほとんどが目に入らない。・・・神は被造物を完全に見捨てることはなく,最悪の状況においてもわれわれは何らかの感謝すべきものを得ている。」(『ロビンソン・クルーソー』,デフォー,唐戸信嘉訳,光文社)
○私たちは,自分が今ここでこうして生きていられることを当たり前と思いやすく,すぐに感謝の気持ちを忘れてしまいがちですが,生きているということは,よくよく考えてみれば一つの奇跡であり,心から感謝すべき有り難いことなのではないでしょうか。その有り難さに気づき,心から感謝できるようになるなら,私たちは,ただ生きているということにさえ幸せを感じられるようになるのではないでしょうか。そして,生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになり,「生きてるだけで丸儲(まるもう)け」(さんま)と心の底から思えるようになるなら,私たちはきっと,たとえどのような逆境にあったとしても,たとえどのような不運に見舞われたとしても,生きている限りは幸せであり続けることが可能になるのではないでしょうか。欲望や迷信や偏見などによって心の目を曇らせることなく,自分が今ここでこうして生きていられることに対する感謝の気持ちを,決して忘れないようにしたいものです。(1)(4)(6)(10)(14)(20)関連