「神に運命をゆだね,神の摂理に身を任せていたので,私の心は澄みきっていた。」(『ロビンソン・クルーソー』,デフォー,唐戸信嘉訳,光文社)
○人生は本来ままならないものです。ままならない人生を自分の思い通りにしようと欲張るからこそ,私たちは結果的に,自分の人生に不平不満ばかりを募らせてしまうのではないでしょうか。そして,心の平安を失い,心の目を曇らせるがままに,いま自分の目の前にある幸せに気づくことさえできなくなってしまうのではないでしょうか。欲張ることをやめ,人生はままならないものであるという事実をあるがままに受け入れることさえできれば,自分の人生に不平不満ばかりを募らせてしまうようなことはなくなるはずです。そして,心の平安を失うこともなく,心の目を曇らせることもなく,ままならない人生にさえ生きる喜びや幸せを無限に見いだせるようになるはずです。自分の人生を自分の思い通りにすることなど絶対にできないのですから(人生はままならないものであるという事実をあるがままに受け入れられない限り,人生は,期待を何度も裏切られては失望するだけのものになってしまう危険性があります。),そのようなことにではなく,いま自分の目の前にある幸せに気づくことや,自分の人生に無限とも言える生きる喜びや幸せを見いだすことにこそ,限りある大切な時間やエネルギーを使いたいものです。(1)(4)(6)(7)(9)(15)関連