「売上を伸ばしたければ,広告代理店に頼んで巧妙な戦力を立ててもらう。そうすれば,自然界には存在せず,本当はだれも必要としていない製品を,何百万人もの消費者に売りつけることができるのだ。」(『137億年の物語』,クリストファー・ロイド,野中香方子訳,文藝春秋)
○私たちが必死になって手に入れようとしている物は,私たちが生きていくために本当に必要な物なのでしょうか。私たちはなぜ,生きていくために必要のない物まで,必死になって手に入れようとするのでしょうか。そして,私たちはなぜ,それらを手に入れられないからといって,不平不満,妬みそねみ,恨みつらみ,失意失望,自暴自棄といった心理状態に自分を追い込み,自分の一生を台無しにしてしまうのでしょうか。「起きて半畳寝て一畳」とも言うように,私たちが生きていくために本当に必要な物など,実際は高が知れています。人生は,すなわち,私たちがこの世の中で生きることのできるチャンスは,たった一度きりなのですから,自分の人生に大きな悔いを残さないようにするためにも,他者と競い合ってできる限りたくさんの物を手に入れなければ幸せになれないなどといったデマを鵜呑(うの)みにしたり,そのようなデマに踊らされたりすることなく,生きていくために本当に必要な物だけで満足できるようなりたいものです。生きていくために本当に必要な物だけで満足できるようになるなら,私たちはきっと,不平不満などを募らせることもなく,心安らかに幸せな人生を送れるようになるはずです。(1)(3)(4)(6)(10)(20)関連