「子を育てるというそのこと自体が,あなたが子供から受ける最大のよろこびなのです」(『ローマの哲人 セネカの言葉』,中野孝次,岩波書店)
○子供を育てることは(子供が育つということは),それ自体が親の喜びであり,幸せなのですから,子育てに見返りや報酬を期待するのは,欲張り過ぎというものです。同じように,自分が好きなことに打ち込めるのは,それ自体が喜びであり,幸せなのですから,自分が好きなことに打ち込んで財産や地位や権力や名声などまで手に入れようとするのは,欲張り過ぎというものです(自分が好きなことに全身全霊で打ち込み,最善を尽くした結果として,財産や地位や権力や名声などを手に入れてしまうようなこともあるかも知れませんが,それはあくまでも結果であり,財産や地位や権力や名声などの入手を目的にすべきではないと思います。)。「二兎(にと)を追う者は一兎をも得ず」とも言います。思い残すことのない充実した有益な人生を送るためにも,財産や地位や権力や名声などに執着することなく,自分が本当にやりたいと思える好きなことを見つけ,そこに自分が信じることのできる自分なりの目標や理想を見いだし,その目標や理想に向かって前進し続けることにこそ,そのことを通じて,自分を人間的に成長(成熟)・向上させ続け,自分の可能性を十分に花開かせ,実を結ばせるとともに,多少なりとも他者や社会の役に立つことにこそ,気持ちを集中し,限りある大切な時間やエネルギーを使いたいものです。(11)(14)(16)(19)関連