実り多い幸せな人生を送るために

真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために

 自戒の念を込め,どのようにすれば真に人間らしく(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるのかということについて,あるいは,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であるということについて,様々な名言などをヒントにしつつ(それらに含まれている人生の真理を私なりに理解しつつ),できる限り分かりやすく筋道立てて説明していきたいと思います。皆様が実り多い幸せな人生を送る上において,多少なりともお役に立てれば幸いです。               皆様の人生が,実り多い幸せなものでありますように!

自分の欲望に打ち克ち,自分が信じる目標や理想に向かって前進し続けること。

 「十人十色」,「百人百様」(五味太郎),「人は人,我は我」などとも言うように,人間には人それぞれの個性があり,その個性に合った生き方があります。自分の可能性を十分に花開かせ,実を結ばせるとともに,多少なりとも他者や社会の役に立ち,思い残すことのない充実した有益な人生を送るためには,他者との勝負に勝ち,他者より多くの財産や高い地位や大きな権力を手に入れたり,他者から評価され,名声を手に入れたりすることよりも,自分の欲望に打ち克(か)ち,財産や地位や権力や名声などに対する執着から解放されることや,本当の自分や自分が進むべき道を見失うことなく,自分の信念を貫いたり,自分が信じる目標や理想に向かって前進し続けたりすることの方が,よほど重要なのではないでしょうか。自分が本当にやりたいと思える好きなことに全身全霊で打ち込み,最善を尽くした結果として,思い掛けず財産や地位や権力や名声などを手に入れてしまうようなこともあるかも知れませんが,それはあくまでも結果であり,それらを手に入れることを人生の目的にすべきではないと思います。実際,他者との勝負に勝ち,他者からの評価を得て,財産や地位や権力や名声などを手に入れたからといって,人生が,真に人間らしく実り多い(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せなものになる保証など,どこにもありません。世の中を見渡せば,よく分かるはずです。むしろ,それらに執着すればするほど,心の目は曇り,心の平安は乱れ,不平不満,妬みそねみ,恨みつらみ,失意失望,自暴自棄といった心理状態に自分を追い込んでしまう危険性は高まります。そもそも,自分の好きなことに打ち込めるというのは,それ自体が有り難いことであり,幸せなことなのですから,たとえ財産や地位や権力や名声などが手に入らなかったとしても(それが普通ですが。),そのことで不平不満を募らせたり,他者や社会を恨んだり,恵まれない境遇や不運を呪ったりすべきではなく,自分の好きなことに打ち込めることに心から感謝すべきなのではないでしょうか。自分の好きなことに打ち込めている人が,財産や地位や権力や名声などまで手に入れようとするのは,欲張り過ぎというものです。両方を追い求めれば,結局は,どちらにも気持ちを集中することができず,どっち付かずになり,どちらも得られずに終わってしまうのが落ちです。まさに「二兎(にと)を追う者は一兎をも得ず」,「欲はふたつでも身はひとつ」(五味太郎)だと思います。