○人間が犯す失敗や過ちは,誰もが犯す可能性のあるものばかりです。「明日は我が身」です。他者が失敗や過ちを犯した際には,見下したり,嘲笑したり,鬼の首でも取ったかのように騒ぎ立てたり,正義を振りかざして不寛容に責め立てたりするのではなく,あくまでも「罪を憎んで人を憎まず」という精神で,その罪は憎みつつも,同じ人間同士として共感的に,できる限り寛容かつ穏やかな態度で対応したいものです(そもそも,愛情や真心に裏打ちされていない言葉は相手の心に届かず,厳しく非難するだけでは,相手の反省や更生を促すことはできません。)。また,他者の手助けすることは,他者の支えや助けがなければ生きていられない人間にとっての,当然の務めです。困っていたり苦しんでいたりする他者に対しては,慎み深く(優越感を味わいながら,あるいは,見返りを期待しながらではなく,むしろ,自分の方が幸運に恵まれていることなどでの負い目を感じながら)自分にできる限りの手助けをしたいものです。(17)(19)関連