「(モノを)いくら集めても,足りないモノばかりに目がいっていたので,自分でも気づかぬうちに他人を妬んでいた。」(『ぼくたちに,もうモノは必要ない。増補版』,佐々木典士,筑摩書房)
○自分は不幸であると思い込んでいる人間は,自分と他者を比較しがちであり,幸せそうな他者を妬んでは,足を引っ張ろうとしたり,不幸な状況に巻き込もうとしたりする傾向があります。そして,そのような卑劣な行動を通じて,自分をますます不幸な状況に追い込む結果になってしまいがちです。人間の幸不幸は心の持ち方次第であり,心の持ち方次第で誰でも幸せになれるのですから,自分と他者を比較することなどやめ,自分の心の持ち方を改めることにこそ関心を払い,力を注ぐべきなのではないでしょうか。自分の心の持ち方を改め,自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに深く思いを致し,心から感謝できるようになるなら,私たちは生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになり,そのような境地にさえ達すれば,自分と他者を比較することなどに何の関心も持たなくなるに違いありません(他者の不幸に心を痛め,他者の幸せを願い,喜べるようにはなると思いますが。)。(2021年1月12日)(3)(4)(6)(7)(10)(18)関連