「でも今じゃみんな知ってる/幸せはいつだってささやかなものだってこと/不幸せはいつだってささやかなんてものじゃすまないってこと」(「足し算と引き算」(『自選 谷川俊太郎詩集』所収),岩波書店)
◯幸せとは,他者が羨むような成功を手に入れることではなく,普通の平凡な生活に幸せを感じられるということなのではないでしょうか。日常生活におけるささやかな出来事(物事)にさえ幸せを感じることができるということ,すなわち,生きていることそれ自体に無限の生きる喜びや幸せを感じることができるということなのではないでしょうか。他者が羨むような成功に執着することで人間は,かえって心の目を曇らせ,いま自分の目の前にある幸せに気づくことさえ難しくなってしまうのではないでしょうか。そして,自分の思い通りに成功を手に入れられないことでの不平不満ばかりを募らせた挙げ句,妬みそねみ,恨みつらみ,失意失望,自暴自棄といった心境に追い込まれ,不幸な状況から抜け出せなくなってしまうのではないでしょうか。(2020年9月11日)(1)(3)(4)(6)(7)関連