「(ブッダは,自分の教えは)自分が努力して発見した単純明快な真理であり,自分より前に多くの人が同じことを発見しており,自分より後にも多くの人が同じことを発見するだろう,と言っている。真理を独り占めにする気など全くなかったのである。」(『ゴエンカ氏のヴィパッサナー瞑想入門』,ウィリアム・ハート,太田陽太郎訳,春秋社)
◯真理は人類の共有財産なのであり,他者より先に発見した(気づいた)からといって,その真理を独り占めすることなどできません。そもそも,他者より先に発見したと思っているのは本人だけで,その真理は実は大昔から気づかれていた,という可能性の方が高いのではないでしょうか。真理はいつでも私たちの目の前に単純明快な形で明示されているにもかかわらず,私たちはその大切さになかなか気づくことができない,というだけの話なのかも知れません。慢心し,何でも分かったつもりになってしまうのではなく,何歳になっても謙虚さを失うことなく,自分の無知を自覚しての真摯に学ぶ姿勢,真剣に真理を追い求める姿勢を保ち続けたいものです。(2020年8月13日)(前書き)(12)(後書き)関連