「欲望というものは充(み)たしてやればますます渇(かつ)え,さらに肥大する病であって,充たせば充たすほどさらに先を欲し,ついに満足することがない。欲望をいくら充足させてもそこに本当の心の充実,安心,幸福は絶対に来ないのだ。」(「存命のよろこび」(『文藝春秋 新幸福論 本当の幸せとは?』所収),中野孝次,文藝春秋)
◯欲望は,放っておけばどんどん肥大化するものであり,その結果,人間は不満ばかりを募らせることになる。幸せであるためには,欲望の肥大化を意識的に抑え,日常生活のささやかな満足にも幸せを感じられるようになる必要があるのではないだろうか。(2019年6月23日)