「「真の幸福」ということになれば,私の場合は冷えたビールが1,2本ほしい。・・・暑くて暑くて,もう,タイヘン,な時に「氷あずき」「氷カルピス」「氷ミルク」などを食べるのも「真の幸福」といえる。・・・露天風呂につかってるところへ,ホタルがとんできたり,バスに乗ってて,大きな虹のかかってるのに気がついたり,こっちを見て赤ン坊が笑ってくれたりする場合も,私は「真の幸福」を感じる。「真の幸福」は,ちょくちょく感じるので,感じた時が即ち「真の幸福」である。」(「真の幸福とは何か?」(『文藝春秋 新幸福論 本当の幸せとは?』所収),南伸坊,文藝春秋)
◯幸せとは,日常生活におけるささいな出来事に幸せを感じられるようになること,すなわち,普通の人生に無限の幸せを見いだせるようになり,究極的には,生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになることだと思います。したがって,幸せであるためには,大きな成功を手に入れたり,特別な人生を送ったりする必要などなく,欲望の肥大化を意識的に自制することなどを通じて幸せを感じ取る感度を上げ,研ぎ澄まし続けることこそが大切なのではないでしょうか。(2020年4月13日)