「総じて世の中のことは,どんなに賢くても人の知恵・工夫では及び難い所がある物なのだから,軽々しく新たな方法を行うべきではない。」(『現代語訳 本居宣長選集 第一巻 玉くしげ - 美しい国のための提言』,山口志義夫訳,多摩通信社)
◯人間は新たなことをすることで何か大きな手柄を立てたような気になりがちであるが,新たに始めたことが実を結ぶことは意外に少ない。むしろ,大きな弊害を生じさせることの方が多い。何かを得るには何かを失わざるを得ず,新たなことをするにあたっては,そのことによって失うことの大きさに対しても自覚的である必要がある。(2019年6月21日)