実り多い幸せな人生を送るために

真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために

 自戒の念を込め,どのようにすれば真に人間らしく(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるのかということについて,あるいは,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であるということについて,様々な名言などをヒントにしつつ(それらに含まれている人生の真理を私なりに理解しつつ),できる限り分かりやすく筋道立てて説明していきたいと思います。皆様が実り多い幸せな人生を送る上において,多少なりともお役に立てれば幸いです。               皆様の人生が,実り多い幸せなものでありますように!

(21)①社会の進歩・発展と私たちの幸福度や礼節の度合いは,必ずしも比例していない。

 社会の進歩・発展には目を見張るものがありますが,社会が進歩・発展し,私たちの生活水準が向上したことで,私たちの幸福度は本当に上がったと言えるでしょうか。また,「衣食足りて礼節を知る」と言いますが,暖衣飽食(美衣美食)の時代に生きている私たちは,本当に礼儀正しく節度をわきまえた人間と言えるでしょうか。今後社会がさらに進歩・発展することで,私たちの幸福度が今よりも上がり,私たちが今よりも礼儀正しく節度をわきまえた人間になってく見込みはあるのでしょうか。もし社会の進歩・発展と私たちの幸福度や礼節の度合いが比例していないとしたら(むしろ,反比例しているとしたら),すなわち,経済的・物質的な豊かさに心の豊かさが伴っていないとしたら,これまでの延長線上に社会がさらに進歩・発展し続けることに,いったいどのような意味があるのでしょうか。私たち人類は,このような経済的・物質的に豊かな社会を手に入れるために,これまでどれだけ多くのものを失い,犠牲にしてきたのでしょうか。また,このような経済的・物質的に豊かな社会を維持し,あるいは,さらに進歩・発展し続けるために,この先どれだけ多くのものを失い,犠牲にしようとしているのでしょうか。私たちは,何を手に入れるために何を失おうとしているのかということについて,もう少し自覚的である必要があるのではないでしょうか。