「ひとは自分の運命を非難して,責任をまぬがれるつもりでいる。つまり,いつも運命の女神がいけないことになる。」(『寓話』,ラ・フォンテーヌ,今野一雄訳,岩波書店)
○私たちは,物事がうまくいかなかったり,人生に行き詰まったりすると,それをすぐに境遇や運命のせいにしがちですが,恵まれない境遇や不運をいくら呪ったり,嘆き悲しんだりしたところで,事態が好転したり,人生の行き詰まりが打開されたりすることはありません。なぜなら,境遇や運命を自分の思い通りに変えることなど絶対にできませんし,そもそも,物事がうまくいかなかったり,人生に行き詰まったりしたことの主たる原因や責任が境遇や運命にあるとは限らないからです。事態を好転させたい,人生の行き詰まりを打開したいと本気で望むのであれば,私たちは,物事がうまくいかなかったり,人生に行き詰まったりした主たる原因や責任は自分にあると考え,自分を変えること(自分の心の持ち方や考え方や生き方などを変えることによって事態を好転させたり,人生の行き詰まりを打開したりすること)をこそ目指すべきなのではないでしょうか。自分を変えることなら自分次第で十分に可能ですし,物事がうまくいかなかったり,人生に行き詰まったりしたことの主たる原因や責任は自分にあるのが普通なのですから。(15)関連