実り多い幸せな人生を送るために

真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために

 自戒の念を込め,どのようにすれば真に人間らしく(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるのかということについて,あるいは,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であるということについて,様々な名言などをヒントにしつつ(それらに含まれている人生の真理を私なりに理解しつつ),できる限り分かりやすく筋道立てて説明していきたいと思います。皆様が実り多い幸せな人生を送る上において,多少なりともお役に立てれば幸いです。               皆様の人生が,実り多い幸せなものでありますように!

(14)⑨なるべく目立たないように慎み深く控え目に生きるのが,賢明な生き方と言える。

 「出る杭(くい)は打たれる」,「大木(高木)は風に折られる」,「高い木には風が当たる」,「人は実のなった木にしか石を投げぬ」,「山高ければ谷深し」,「誉れは謗(そし)りの基(もと)」,「褒むるは謗ると思え」,「褒めらるる身の持ちにくさ」,「美人はつらいよ」(五味太郎)などとも言うように,称賛されたり,脚光を浴びたりすることが多くなればなるほど,誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)されたり,罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせられたりすることも多くなるのが世の常です。そもそも,人間は誰しも肯定的な側面(長所や美点や強みなど)と否定的な側面(短所や欠点や弱みなど)の両面を兼ね備えているわけですから,称賛されるだけなどということはあり得ません。称賛されたり,脚光を浴びるなどして調子に乗れば,後で必ず痛い目を見ることになります。「人の口に戸は立てられぬ」,「人を悪口から守る楯(たて)はない」(モリエール)のですから,心の平安を乱されることなく自分が好きなことに打ち込みたい,そして,自分が信じる目標や理想に向かって自分が進むべき道を前進し続けることを通じて自分の可能性を十分に花開かせるとともに多少なりとも他者や社会の役に立ち,思い残すことのない充実した有益な人生を送りたいと望むのであれば,「能ある鷹(たか)は爪を隠す」,「敢(あ)えて天下の先とならず」,「大賢は愚なるが如(ごと)し」,「大智(大才)は愚の如し」,「愚を守る」,「和光同塵(わこうどうじん)」などとも言うように,なるべく目立たないように慎み深く控え目に生きるのが賢明なのではないでしょうか。目立たないように慎み深く控え目に生きながら,それでも他者から称賛されたり,脚光を浴びたりするような事態に至ってしまった場合には,「褒める人には油断すな」,「耳の楽しむ時は慎むべし」などと言うとおり,一段と気を引き締めて慎み深く控え目に生きることを心がけるべきなのではないでしょうか。