「人間の知性は明鏡(めいきょう)ではなく,意志と感情で曇った鏡である。(フランシス・ベーコン)」,「私たちにとって,なにより必要なのは,人間の心はけっして明鏡なのではなく,いつも意志や感情によって曇らされている鏡である,という自覚です。その自覚こそが曇った鏡をぬぐうタオルだと言ってもいいでしょう。」(『ことばへの旅(上)』,森本哲郎,PHP研究所)
○誰にとっても人生はままならないものであり,人生に困難や苦労は付き物です。しかし,心の目を曇らせさえしなければ,人生に困難や苦労を補って余りあるほどの生きる喜びや幸せを見いだすことも可能です。自分の人生は困難や苦労ばかりであり,生きる喜びや幸せなどほとんど見いだせないと言う人もいるかも知れませんが,それはただ単に,肥大化した欲望(必要以上に欲張る気持ち)や,デマに基づく迷信(財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せになれないなどといったデマに基づく間違った思い込み)や,拝金主義のような偏ったものの見方・考え方などによって心の目が曇っているせいなのではないでしょうか。自分の人生に無限と言ってもいいほどの生きる喜びや幸せを見いだせるようになるためには,心の目の曇りを取り除く(曇りのない眼を取り戻す)必要がありますが,そのためにも,まずは,自分の心の目が曇っていてるという自覚,あるいは,自分の人生に生きる喜びや幸せを見いだせないのは自分の心の目が曇っているせいであるという認識を持てるようになる必要があるのではないでしょうか。(1)(5)(8)(9)(15)(後書き)関連