自分は不幸であると思い込んでいる人間は,すぐに自暴自棄になっては道を踏み外したり,他者を妬んだり恨んだりしては他者をも自分と同じような不幸な状況に巻き込もうとしたりしがちですが,そのような有害無益な人生を送ることに,いったいどのような意味があるのでしょうか。私たちは,幸せであればこそ,自分を大切にしながら正しい道を歩み続けること(正道に踏みとどまり続けること)ができるのであり,自分の幸せのみならず他者の幸せをも願い,喜び,不幸な状況にある他者が幸せになるための手助けを自ら進んで行うことができるのだと思います。そのように考えるなら,幸せであることは,有益無害な人生を送ることを望む真っ当な社会人,特に,対人援助や対人サービスの仕事に従事している社会人にとっての義務である,とさえ言えるのではないでしょうか。