「日日是(にちにちこ)れ好日(こうにち・こうじつ)(雲門文偃)」(『365日 一日一言』,齋藤孝,世界文化社)
○生きていれば,嫌なことや悲しいことがたくさんあります。しかし,同じように,嬉(うれ)しいことや楽しいこともたくさんあります。夏になれば冬の寒さを思い出せなくなり,冬になれば夏の暑さを思い出せなくなってしまうように,落ち込んでいる時には,嫌なことや悲しいことで頭の中がいっぱいになり,嬉しかったことや楽しかったことを思い出せなくなってしまいますが,逆に,上り調子の時には,嬉しいことや楽しいことで頭の中がいっぱいになり,嫌だったことや悲しかったことを思い出せなくなってしまうのが人間です。生きていれば嫌なことや悲しいことがたくさんあるという現実から目をそらすべきではないとは思いますが,生きていれば嬉しいことや楽しいことも同じようにたくさんあるということも,決して忘れないようにしたいものです。私たち人間は,放って置けば嫌なことや悲しいことばかりに目を向けてしまいがちですので(様々なメディアの影響もあり。),嬉しいことや楽しいことにこそ意識的かつ積極的に目を向けながら生きていくのが望ましいのではないでしょうか。(1)(2)(4)(6)(8)(9)関連