このような経済的・物質的に豊かな社会において暖衣飽食の生活を送れるということは,心から感謝すべき有り難いことですが,必要以上に欲張り続け,他者や他国と競い合い続ければ,経済格差(貧富の差)が大きくなったり,争い事が増えたり,自然破壊が破壊されたりするのは必然です。もちろん,生きていくのに最低限必要な衣食住が確保できないような状況は何としてでも改善・解消されるべきであると思いますが(国の福祉政策などによって),少なくとも日本においては,そのような状況は,ほぼ改善・解消されているのですから,経済格差の小さい,争い事の少ない,持続可能性の高い(自然環境に過度の負荷をかけることのない)社会を実現するためにも,私たちはそろそろ,必要以上に欲張り続けることをやめ,足るを知ることを学ぶ必要があるのではないでしょうか。そして,他者や他国ともっと協力し合えるようになる必要があるのではないでしょうか。節度ある豊かな社会(ほどほどに豊かな社会)において,もっと心豊かに暮らせるようになることにこそ,関心を払い,力を注げるようになりたいものです。