「人間はより快適で便利な生活を追求するあまり，他の生物ばかりか，人類の生存そのものをおびやかすような，深刻な環境問題を引き起こしている。」（『もういちど読む 山川倫理』，小寺聡編，山川出版社）
○この宇宙に存在するすべての物は，この地球上に生存する多種多様な生き物も含め，元をただせば，たった一つの物が分化・発展する過程において派生してきた物です。したがって，この宇宙に存在しているすべての物は，深いところではつながっており，影響を与え合っているはずです。人間もこの宇宙の一部分（一構成要素）なのですから，自分たちの欲望充足ばかりを優先させるのではなく，この宇宙の（より身近な話としては，この地球上の生態系の）秩序や調和を保つことをこそ最優先すべきなのではないでしょうか。自分たちの欲望充足ばかりを優先すれば，必然的に，他の生き物の生存を脅かしたり，自然環境を破壊したりすることになってしまいますが，それは自分で自分の首を絞めることに他なりません。そのことを明確に認識した上で，私たち人間はそろそろ自分の欲望に自分の意志でブレーキを掛けること（ほどほどの欲望充足で満足すること）を学び始める必要があるのではないでしょうか。（４）（６）（11）（21）関連
