「順境の美徳は節度である。逆境の美徳は忍耐である。」（『随筆集』，ベーコン，成田成寿訳，中央公論新社）
○同じような境遇にありながら，その境遇に満足し，感謝する気持ちを忘れることなく，常に満ち足りた気持ちで機嫌よく笑顔で暮らす人もいれば，その境遇に満足できず，感謝する気持ちを忘れ，常に不満を抱えたまま不機嫌にしかめっ面で暮らす人もいます。さらに言えば，逆境にありながら，忍耐強く（そのような境遇にさえ満足し，感謝する気持ちを忘れることなく），常に満ち足りた気持ちで機嫌よく笑顔で暮らす人もいれば，順境にありながら，節度を保つことができず（そのような境遇にさえ満足できず，感謝する気持ちを忘れ），常に不満を抱えたまま不機嫌にしかめっ面で暮らす人もいます。要するに，人間の幸不幸は境遇によって決まるのではなく，その境遇をどのように受け止めるのか，その境遇をどのような心持ちで生きていくのかによって決まるということです。恵まれた境遇を手に入れることにではなく，どのような境遇にあっても（たとえどのような逆境にあったとしても），その境遇に満足し，感謝する気持ちを忘れることなく，常に満ち足りた気持ちで幸せな人生を送れるように自分の心の持ち方を変えることこそ，関心を持ち，力を注げるようになりたいものです。（前書き）（２）（４）（６）（７）（９）関連
