実り多い幸せな人生を送るために

真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために

 自戒の念を込め,どのようにすれば真に人間らしく(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるのかということについて,あるいは,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であるということについて,様々な名言などをヒントにしつつ(それらに含まれている人生の真理を私なりに理解しつつ),できる限り分かりやすく筋道立てて説明していきたいと思います。皆様が実り多い幸せな人生を送る上において,多少なりともお役に立てれば幸いです。               皆様の人生が,実り多い幸せなものでありますように!

(12)④慢心した人間は,生半可な知識を得て何でも知っているつもりになりがちである。

 「知る者は言わず,言う者は知らず」と言うように,人間は本来,物事を深く知れば知るほど,それに伴って分からないことも増えてくるため,発言は慎重になり,態度は控え目(謙虚)になっていくのが自然であると思います。実際,「深い川は静かに流れる」とも言うように,年齢を重ね,人生経験を積み,物事について深い知識を有する老人は,若年で,人生経験の乏しい,物事について浅い知識しか有していない若者に比べ,口数が少なく,物静かであるのが普通です。しかし,「空き樽(だる)は音が高い」とも言うように,慢心した人間は,物事を浅くしか知らないにもかかわらず(物事を浅くしか知らないがゆえに),生半可な知識を得て何でも知っているつもりになってしまうので(自分は無知であるという自覚を失ってしまうので),黙っていることが難しく,とかく自己顕示的に自分の知識をひけらかしたり,何事に対しても余計な口を差し挟んだりしてしまいがちです。また,行動にもためらいがなく,他者に対しては横柄で尊大な態度を取りがちです。加えて,慢心し,何でも知っているつもりになってしまっている人間は,それ以上知ろうとする意欲を失いやすいため,その人生は,年齢と共に謎が深まり,神秘さを増すというふうにはならず,分かり切った,深みのない,退屈なものになってしまいがちです。