「我々の喜びは短いというのがほんとうなら,我々の悲嘆の大部分も長くは続かないはずだ。(ヴォーヴナルグ)」(『世界ことわざ名言辞典』,モーリス・マルー編,田辺貞之助監修,島津智編訳,講談社)
○世の中は無常であり,この世の中に変化しないものなどありませんが,これは一つの救いでもあります。なぜなら,「明けない夜はない」,「やまない雨はない」などとも言うように,どんなに苦しいことも,どんなに悲しいことも,それらは一時的なことであり,決して永続的なことではないということを意味しているからです。人生はままならないものであり,人生に困難や苦労は付き物ですが,たとえどのような困難や苦労に見舞われたとしても,人生に絶望する必要などないということを意味しているからです。実際,心の目を曇らせることなく(他者と競い合って財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せになれないなどといったデマに基づく迷信などによって),幸せに対する感度(私たちの人生の至る所に埋もれている「小さな幸せ」に対する感度)を高めることさえできるなら,私たちは自分の人生に,困難や苦労を補って余りあるほどの生きる喜びや幸せを見いだすことが可能です。ままならない人生を呪ったり,嘆き悲しんだりしている暇があるなら,心の目を曇らせることなく,幸せに対する感度を高めることにこそ(自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに常に深く思いを致し,心から感謝する習慣を身に付けるなどして),限りある大切な時間やエネルギーを使いたいものです。(1)(2)(5)(8)(9)関連