実り多い幸せな人生を送るために

真に人間らしく実り多い,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送るために

 自戒の念を込め,どのようにすれば真に人間らしく(自分にとってのみならず他者や社会にとっても有益な),生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるのかということについて,あるいは,実り多い幸せな人生を送ることは誰にでも可能であるということについて,様々な名言などをヒントにしつつ(それらに含まれている人生の真理を私なりに理解しつつ),できる限り分かりやすく筋道立てて説明していきたいと思います。皆様が実り多い幸せな人生を送る上において,多少なりともお役に立てれば幸いです。               皆様の人生が,実り多い幸せなものでありますように!

(12)②成長・向上するにつれ,ますます謙虚になっていくのが人間の本来あるべき姿である。

 「実るほど頭(こうべ)を垂(た)れる稲穂かな」,「実のない穂は頭を高々とあげる」(リヒテンベルク),「馬鹿ほど威張り回る」などとも言うように,年齢を重ね,人生経験を積み,人間的に成長・向上するにつれ,ますます謙虚になっていくというのが,人間の本来あるべき姿なのではないでしょうか。特に,進歩・発展や変化の激しい現代社会にあっては「習うは一生」であり,私たちは必然的に,常に初心者であらざるを得ないのではないでしょうか。「自慢高慢馬鹿のうち」「自慢は知恵の行き止まり」などとも言うように,自慢をする人間の評価が下がりがちなのは,慢心した人間は,それ以上の人間的な成長・向上が望めないだけではなく,「お山の大将」や「井の中の蛙(かわず)」になってしまう危険性が高いとみんなが知っているからだと思います。慢心し,自己顕示的に振る舞う人間でも,一時的には,あるいは,少数の人間からは,称賛されたり,偶像視されたりすることがあるかも知れませんが,多数の人間から長期間にわたって支持され続けるということは決してありません。なお,自慢を一切しない人間に対しては,ついつい褒めたくなってしまい,逆に,自慢ばかりしている人間に対しては,ついつい悪口を言いたくなってしまうのは,全体のバランスを取ろうとする,すなわち,卑下し過ぎる人に対しては褒めることでバランスを取り,逆に,自慢し過ぎる人に対しては悪口を言うことでバランスを取ろうとする私たちの心の特性によるものなのかも知れません。