「我々は,地球が数百万年間かけて作った資産を,数十年後には使い果たすだろう。我々の石炭・石油の年間消費量は,十万年の光合成によって地殻に蓄積されたバイオマスの量に相当する。このようにして我々は子供たちから未来を奪っている。」(『脱成長』,セルジュ・ラトゥーシュ,中野佳裕訳,白水社)
○私たちはなぜ,「今だけ,カネだけ,自分だけ」といった,目先の自分の金銭的な損得だけを考えるような,さもしい生き方を選択するようになってしまったのでしょうか。このような近視眼的で,拝金主義的で,利己的な生き方は,他者(子孫も含め。)を不幸にするのみならず,結局は自分自身をも不幸にする生き方であるということに,なぜ気づけなくなってしまったのでしょうか。そもそも,大金を手に入れたからといって,幸せな人生が約束されるわけではありませんし(お金に執着すればするほど,幸せな人生からは遠ざかってしまうのが普通です。),私たちは他者と支え合い,助け合ってこそ生きていられるのですから,他者の不幸は決して「対岸の火事」ではありません(「明日は我が身」です。)。「今だけ,カネだけ,自分だけ」といった考え方や生き方のさもしさや愚かしさに,一日も早く気づけるようになりたいものです。(1)(11)(14)(19)(21)関連