「嫉妬というのは緑の眼をした怪物で,餌食にした相手を嘲(あざけ)るのです。(シャエクスピア)」(『あらすじで読むシェイクスピア全作品』,河合祥一郎,祥伝社)
○不平不満を募らせ,あるいは,失意失望の淵(ふち)に沈み,自分は不幸であるなどと思い込んでいる人間は,自分と他者を比較しては,自分より幸せそうに見える他者を妬みやすく,そのような他者を誹謗(ひぼう)中傷したり,そのような他者に罵詈(ばり)雑言を浴びせたりすることによって,鬱憤晴らしをしようとしがちです。しかし,そのような振る舞いや生き方に,いったいどのような意味があるのでしょうか。私たちは他者の支えや助けがなければ生きていられず,私たちと他者は持ちつ持たれつの関係にあるわけですから(その意味で,私たちと他者は一体なのですから),他者を害する振る舞いや生き方は,回り回っていつかは必ず自分を害することにつながってくるはずです。そのような有害無益な人生を送らないようにするためにも,ひいては,自分の幸せのみならず,他者の幸せをも願い,喜び(他者の不幸を悲しみ),自分の幸せを他者と分かち合うような有益無害な人生を送れるようにするためにも,自分が幸せであることを人生の最優先課題とし,自分が幸せであることにこそ最大限の関心を払い,最大限の力を注ぎたいものです。(2)(3)(19)関連