「(明治初期の日本人は)必要なものはもつが,余計なものを得ようとは思わない。大きい利益のために疲れ果てるまで苦労しようとしないし,一つの仕事を早く終えて,もう一つの仕事にとりかかろうとも決してしない。・・・一家を支えるにはほんの僅かしかいらない。(ブスケ)」(『逝きし世の面影』,渡辺京二,平凡社)
○私たちは,なぜ生きていくのに必要な物やお金だけでは満足できないのでしょうか。なぜ生きていくのに必要のない物やお金まで手に入れようと欲張るのでしょうか。生きていくのに必要な物やお金だけで満足できるようになるなら,他者と競い合ってあくせくし続ける必要もなくなるでしょうし,自然環境に過度の負荷をかけてしまう危険性も格段に低下するでしょうし,他者と仲良く助け合いながらのんびりと,豊かな自然環境に囲まれて幸せな人生を送ることが,もっと容易になるのではないでしょうか。「起きて半畳寝て一畳」などとも言うように,贅沢(ぜいたく)さえ言わなければ,人間が生きていくのに必要な物やお金など,本当は高が知れているのではないでしょうか。欲張れば切りがありません。常に満ち足りた気持ちで心安らかに幸せな人生を送れるようになるためにも,必要以上に欲張ることはやめ,必要最小限の物やお金で(質素な暮らしで)満足できる人間になりたいものです。(4)(6)(21)関連