「ろばはのどが渇いた時しか飲まないが,それは,水しか飲まないからだ。(ベルアルド・ド・ヴェリヴィル)」(『世界ことわざ名言辞典』,モーリス・マルー編,田辺貞之助監修,島津智編訳,講談社)
○贅沢(ぜいたく)さえ言わなければ,私たちが生きていくのに必要な物やお金など,本当は高が知れています。贅沢な暮らしを望み,必要以上の物やお金まで欲しがるからこそ,常に不満を抱えざるを得えなくなり,挙げ句の果てには,不満を募らせるがままに自分は不幸であるなどと思い込むようになってしまうのではないでしょうか。質素な暮らしで満足できるようになれば,必要以上の物やお金まで欲しがることはなくなり,常に満ち足りた気持ちで幸せな人生を送ることが,もっと容易になるはずです。欲張れば切りがありません。欲張り続ける限り,たとえどれだけ贅沢な暮らしを手に入れたところで,たとえどれだけ多くの物やお金を手に入れたところで,私たちの心が満ち足りるということはありません。私たちは,必要以上に欲張ることをやめ,贅沢な暮らしを手に入れること(必要以上の物やお金まで手に入れること)にではなく,質素な暮らし(必要最小限の物やお金)で満足できるように自分の心の持ち方を変えることにこそ,関心を払い,力を注ぐべきなのではないでしょうか。自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに深く思いを致し,心から感謝できるようになるなら,私たちはきっと,質素な暮らしでも十分に満足できるようになるはずです。(4)(6)(7)(21)関連