「やろうと思わなければ,横に寝た箸を竪(たて)にすることもできん。」(『漱石「こころ」の言葉』,矢島裕紀彦,文藝春秋)
○人生はままならないものであり,「一難去ってまた一難」とも言うように,人生に困難や苦労は付き物です。しかし,たとえどのような困難や苦労に見舞われようとも,人生に絶望し,幸せな人生を送ることを諦めてしまってはいけないのだと思います。できないと思って諦めてしまえば,どんな簡単なこともできなくなってしまいます。逆に,絶対にできると信じて不退転の決意で臨めば,努力次第で道は自然に開かれていくものです。「信じる者は救われる」,「求めよ,さらば与えられん」,「叩(たた)けよ,さらば開かれん」などとも言います。たった一度きりの人生に大きな悔いを残さないようにするためにも,自分の一生を台無しにしてしまわないようにするためにも,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送ることは誰にでも可能であると信じ,「七転び八起き」,「一念岩をも通す」といった強い気持ちで努力し続けたいものです。そもそも,私たちは,心の目を曇らせることなく,幸せに対する感度を高めることさえできるなら,困難や苦労を補って余りあるほどの(無限と言ってもいいほどの)生きる喜びや幸せを自分の人生に見いだすことが可能なのですから。(前書き)(1)(9)関連