「日々の生活を大切にする。／それが生きるということ，そのものではありませんか。」（『しょせん幸せなんて，自己申告。』，綾小路きみまろ，朝日新聞出版）
○私たちは今この瞬間にしか生きられないのですから（私たちは過去や未来に生きることはできないのですから），生きるとは，今この瞬間を大切にするということに他なりません。今この瞬間を疎（おろそ）かにするということは，生（人生）そのものを疎かにするということです。過去や未来に心を奪われるなどして今この瞬間を疎かにし，心ここに在らずという状態で生きていたのでは，いま自分の目の前にある幸せに気づくことさえ難しいでしょうし，人生に埋もれている（隠されている）無限と言ってもいいほどの生きる喜びや幸せにも気づけないまま（自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さにも気づけないまま），自分は不幸であるなどと思い込むようになってしまうのが落ちです。私たちが幸せであるというのは，過去や未来ではなく，今この瞬間が幸せであるということなのですから，生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるようになるためにも（生きていることそれ自体に幸せを感じられるようになるためにも），今この瞬間を決して疎かにすることなく，今この瞬間を掛け替えのないものとして大切にしながら，常に心を込めてマインドフルに今この瞬間を生き，今この瞬間を大いに楽しみ，細部に至るまで丁寧に今この瞬間を味わい尽くせるようになりたいものです。（８）関連
