「たいていの人が,生きることのすばらしさに気づくのが病気になってからだなんて,悲しい。」(『ソフィーの世界』,ヨースタイン・ゴルデル,池田香代子訳,NHK出版)
○何事にも一長一短はあり,老いることや病気になることにさえ,肯定的な側面はあります。実際,私たちは,老いることによって,足るを知ること(自分の欲望にブレーキを掛け,自分の人生に満足できるようになること)がより容易になりますし,病気になることによって,健康や命の有り難さを痛感し,ただ健康でいられるということだけでも,あるいは,ただ生きていられるということだけでも,大きな喜びや幸せを感じられるようになります。しかし,できることなら,老い先が短くなる前に自分の人生に満足できるようになりたいものですし,大病を患う前に健康に生きていられることの有り難さに気づけるようになりたいものです。そのためにも,私たちは,幸せとは何か,どのようにすれば幸せになり,幸せであり続けることができるのかといったことを,人生のできる限り早期から,真剣に考え,実践すべきなのではないでしょうか。たった一度きりの人生に大きな悔いを残さないようにするためにも。(2)(9)関連