「結婚をするときに,現在の日本ではそれによって「幸福になる」というイメージが非常に強く作用しているようだ。」(『河合隼雄著作集第II期第11巻 日本人と日本社会のゆくえ』,岩波書店)
○「結婚すれば幸せになれる」などといった考えは,「財産や地位や権力や名声などを手に入れれば幸せになれる」などといった考えと同じく,単なる迷信なのではないでしょうか。財産や地位や権力や名声などを手に入れたからといって,幸せになれる保証などどこにもなく,同様に,結婚したからといって,幸せになれる保証などどこにもありません(世の中を見渡せば,よく分かるはずです。)。「結婚すれば幸せになれる」などといった誤った期待を抱くからこそ,結婚後に大きな失望を味わうことになり,結婚生活が余り長続きしないのではないでしょうか。幸せであるか否かは,心の持ち方次第です。心の持ち方が変わらない限り,それまで幸せでなかった人が,結婚したからといって,あるいは,財産や地位や権力や名声などを手に入れたからといって,急に幸せになるなどといったことはあり得ません(一時的には幸せな気分を味わうかも知れませんが。)。もちろん,結婚を契機として心の持ち方が変わるということはあるとは思いますが,結婚生活を長続きさせたい,結婚生活をより実り多いものにしたいと望むのであれば,他力本願(結婚相手まかせ)ではなく,自力本願(自分の意志や努力によって自分の心の持ち方を変えること)で幸せになることをこそ目指すべきであると思います。(4)(7)(10)(14)(15)関連