「必要以上の獲物は獲らないという山の掟を,愚直なまでに守るのがマタギの慣わしである。」(『邂逅(かいこう)の森』,熊谷達也,文藝春秋)
○「起きて半畳寝て一畳」,「千石万石も米五合」などとも言うように,贅沢(ぜいたく)さえ言わなければ,私たちが生きていくために必要な物やお金など,本当は高が知れています。にもかかわらず,私たちはなぜ,自分が持っている(自分に与えられている)物やお金だけでは満足しようとせず,常に不満を抱き,不満を訴えながら,より多くの(必要以上の)物やお金を手に入れようとし続けるのでしょうか。「欲に頂(いただき)なし」とも言うように,欲張れば切りがありませんし,欲張り続ける限り,私たちはいつまでたっても自分の人生に満足することができません。常に満ち足りた気持ちで心安らかに幸せな人生を送れるようになるためにも,欲張ることをやめ,たとえそれが必要最小限の物やお金であったとしても,自分が持っている物やお金だけで満足できるようになりたいものです。生きているということは,ただそれだけで十分に幸せなことであるということをしっかり心に刻み,感謝する気持ちを忘れることなく,たとえどのような逆境にあろうとも,たとえどのような困難や苦労に見舞われようとも,「生きてるだけで丸儲(まるもう)け」(さんま)と心の底から思えるようになりたいものです。(1)(4)(6)(20)関連