私たちは他者と支え合い,助け合ってこそ生きていられるのであり,その意味で,私たちと他者は一体なのですから,「情けは人の為(ため)ならず」,「ひとつの情け,ふたつのよろこび」(五味太郎)などとも言うように,他者を大切にし,他者に益をもたらす行動は,回り回っていつかは必ず自分を大切にし,自分に益をもたらすことにつながってくるはずです(同様に,自分を大切にし,自分を益する行動は,回り回っていつかは必ず他者を大切にし,他者を益することにつながっていくはずです。)。逆に,「人を呪わば穴二つ」,「妬みはその身の仇(あだ)」などとも言うように,他者を蔑(ないがし)ろにし,他者に害をもたらす行動は,回り回っていつかは必ず自分を蔑ろにし,自分に害をもたらすことにつながってくるはずです(同様に,自分を蔑ろにし,自分を害する行動は,回り回っていつかは必ず他者を蔑ろにし,他者を害することにつながっていくはずです。)。私たちと他者は,言わば同じ人間の右手と左手(右足と左足,右目と左目,上の歯と下の歯)なのですから,仲違(なかたが)いしたり,敵対したりすることなく,仲良く手助け合いながら生きていきたいものです。