「苦労が人間をけだかくするというのは,事実に反する。幸福が,時にはそうすることはあるが,苦労はたいてい,人間をけちに意地悪くするものなのだ。(モーム)」(『月と六ペンス』,モーム,行方昭夫訳,岩波書店)
○人生はままならないものであり,人生に困難や苦労は付き物です。誰の人生であっても例外はありません。しかし,困難や苦労にへこたれることなく,曇りのない眼を保ちつつ幸せに対する感度を高めることができるなら,困難や苦労を補って余りあるほどの生きる喜びや幸せを人生に見いだすことも可能です。そして,困難や苦労を補って余りあるほどの生きる喜びや幸せを人生に見いだせるようになるなら,困難や苦労を物ともせず,常に心の平安を保ちながら生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送ることが可能になります。他方,困難や苦労にへこたれ,自分は不幸であると思い込むなどして心の目を曇らせてしまったり,幸せに対する感度を鈍麻させてしまったりすれば,人生に生きる喜びや幸せを見いだすことは困難になり,人生はただ苦しくてつらいだけのものになってしまいます。そして,不平不満,妬みそねみ,恨みつらみ,失意失望,自暴自棄といった心理状態に陥り,心の平安を失った挙げ句,本当に不幸な人生を送ることになってしまいます。そのような不幸な人生を回避し,生きる喜びや希望に満ちた幸せな人生を送れるようになるためにも,人生に付き物の困難や苦労によって心の目を曇らせてしまったり,幸せに対する感度を鈍麻させてしまったりしないよう,くれぐれも用心したいものです。(1)(3)(7)(9)関連