「幸福は人生の究極の目的であり,人生における最高善です。(なぜなら,人は何のために幸福になりたいかには,もはや答えられないからです。)」(『もういちど読む山川倫理 PLUS 人生の風景編』,小寺聡編,山川出版社)
○幸せな人生を送ることを望まない人はいません。誰もが幸せな人生を送ることを望んでいます。一見そのように見えない人でも,心の底では幸せな人生を送ることを望んでいるのだと思います。実際,この道を選べば必ず幸せになれると分かっているときに,あえてその道を選ばない(あえて不幸になる道を選ぶ)人がいるでしょうか。にもかかわらず,不幸になる道をあえて選んでしまうのは,どの道を選べば幸せになれるのか,どの道を選べば不幸になるのかということが分からないからだと思います。したがって,幸せな人生を送ることを望むのであれば,幸せとは何かということを正しく見極めた上で(この作業を疎(おろそ)かにし,幸せとは何かということを見誤れば,すべての努力が徒労に終わってしまう危険性があります。),どのようにすれば幸せな人生を送ることができるのかということを真剣に考え,真剣に学び,真剣に試行錯誤(実践)するということが,どうしても欠かせません。くれぐれも,他者と競い合って社会的(世俗的)な成功を収め,財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せになれないなどといったデマを鵜呑(うの)みにしたり,そのようなデマに踊らされたりして道を誤らないようにしたいものです。(1)(2)(10)(14)関連