「人間はコスモス(調和と秩序のとれた有機的宇宙,世界)から出現し,その母胎である地球生態系と共生することによってのみ生存可能である。」(『脱成長』,セルジュ・ラトゥーシュ,中野佳裕訳,白水社)
○この世の中(世界,宇宙)に存在している物はすべて,私たち人類も含め,もとを正せば,たった一つの物が分化・発展する過程において派生してきた物と言えます。もとを正せば一つの物だったのですから,この世の中に存在しているすべての物は,深いところでは有機的につながっており,何らかの影響を与え合っているはずです。このような認識の下,私たち人類は,自分たちの欲望充足ばかりを優先させるのではなく,世の中全体の調和や秩序を保つことをこそ第一に考えて行動すべきなのではないでしょうか。他の生き物や自然環境などに(特に,地球の生態系に)大きな負荷を掛けるということは,大局的な見地に立って長い目で見れば,自分で自分の首を絞めているようなものです。「今だけカネだけ自分だけ」といった,現在世の中に蔓延(はびこ)っている近視眼的・拝金主義的・利己的な考え方や生き方から,一日も早く脱却したいものです。(前書き)(4)(6)(11)(15)(20)関連