「この宇宙のなかに子どもたちがいる。これは誰でも知っている。しかし,ひとりひとりの子どものなかに宇宙があることを,誰もが知っているだろうか。それは無限の広がりと深さをもって存在している。」(『子どもの宇宙』,河合隼雄,岩波書店),「私という人間を知ろうとすることは,私の周囲の人たちのことを知ることになる。私を知るということと世界を知るということがまったくほとんど同じなのです。」(『河合隼雄 その多様な世界』,河合隼雄他,岩波書店)
○この宇宙に存在してる物はすべて,この地球上に生存している多種多様な生き物も含め,もとを正せば,たった一つの物が分化・発展する過程において派生してきた物と言えます。要するに,この宇宙に存在している物はすべて,この宇宙を構成している一部分なのであり,もとを正せば一つの物だったのですから,深いところではすべての物がつながっており,影響を与え合っているはずです。だからこそ私たちは,自分の身体の声や心(魂)の声に耳を傾けつつ自分を徹底的に深く掘り下げて知ることによって,他者や世界を深く知り,普遍的な真理に至ることができるのではないでしょうか。また,だからこそ私たちには,自分をより善いものに変えていくことによって他者や世界をより善いものに変えていく道(可能性)が開かれているのではないでしょうか。自分とこの宇宙(他者や世界も含め。)は本来一体なのであり,自分はこの宇宙によって生かされているのだ(この宇宙あってこその自分なのだ)ということを十分に自覚しながら生きていきたいものです。(前書き)(11)(15)関連