「前言を一度も翻さない者は，真実よりも自分自身を愛しているのだ。（ジューベール）」（『世界ことわざ名言辞典』，モーリス・マルー編，田辺貞之助監修，島津智編訳，講談社）
○人生に正解などありません。私たちにできることは，自分の内なる声にも耳を傾けつつ，より善い，より人間らしい生き方（人生）を目指して努力し続けることだけです。人間である以上，人生の途中において様々な失敗や過ちを犯すことになるでしょうが，その際に大切なことは，失敗や過ちから学ぶべきことを十分に学ぶということ，すなわち，失敗や過ちを，自分の人生をより善い，より人間らしいものにするための契機（心の糧）にすることだと思います。そのためにも，私たちは，自分が犯した失敗や過ちを否認したり，誤魔化したり，その責任を他者や社会に押し付けたりすることなく，自分が犯した失敗や過ちを素直に認め，その責任を潔く引き受けられる人間であり続ける必要があるのではないでしょうか。また，たとえ何歳になったとしても，たとえどれだけ多くの人生経験を積んだとしても，自分の考え方や生き方を絶対視したり，固執したりすることなく，自分の人間的な成長（成熟）・向上の度合いの変化などに応じて自分の考え方や生き方を柔軟に修正し得る人間であり続ける必要があるのではないでしょうか。なお，自分の間違いを素直に認めることは勇気のいることですし，自分の間違いを認めることで自尊心も多少は傷つくでしょうが，自分の間違いに気づきながら，それを改めないということは，間違いを二重に犯すことに他なりません。（12）（13）（14）関連
