「大金を手に入れたり,大きな成功を収めたり,私たちはつい「人よりも上に立つこと」が,幸せになる条件だと思ってしまいます。」(『しょせん幸せなんて,自己申告。』,綾小路きみまろ,朝日新聞出版)
○私たちは,他者と競い合って社会的(世俗的)な成功を収め,財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せになれないと勘違いしがちですが,財産や地位や権力や名声などを手に入れたからといって,幸せになれる保証はどこにもありません。むしろ,それらに執着すればするほど,心の目は曇り,心の平安は乱れ,自分を不平不満,妬みそねみ,恨みつらみ,失意失望,自暴自棄といった心理状態に追い込んでしまう危険性は高まり,幸せからは遠ざかってしまうのが普通です。幸せな人生を送りたいと本気で望むのであれば,財産や地位や権力や名声などを手に入れなければ幸せになれないなどといった迷信から早く目を覚まし,普通の平凡な人生に(さらに言えば,生きていることそれ自体に)幸せを感じられるようになる必要があるのではないでしょうか。自分が今ここでこうして生きていられることの有り難さに常に深く思いを致し,心から感謝する習慣を身に付けるなどして「生きてるだけで丸儲(まるもう)け」(さんま)と心の底から思えるようになるなら,他者との勝負に勝ちたいなどという気持ちは自然になくなるでしょうし,財産や地位や権力や名声などを手に入れなくても,私たちは誰もが等しく幸せになれるはずです。(1)(4)(6)(10)(14)(20)関連